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人工透析の怖さを感じる日々60(飼いならされた患者)」の続編です。

先に言っておきますが、僕は透析室内で患者をしっかり管理するのは賛成ですよ。

今回問題にしてるのは、自分たちの都合の良いように患者を誘導するという事なんですよね。
その都合に、患者の予後をより良くしようという意識が見えない場合を指しております。

確かに長期透析表彰というのは20年以上の5年ごと(20年・25年・30年・35年・40年・香川県の場合)ですので、タイミング的に表彰者が出ない場合もあります。
が、表彰に乗ってる患者さんが出てるのは1部の病院だけ。

表彰者を出してる病院は同時に何人も出してるのに、透析開業以来30年たっててもゼロという病院もある訳ですよ。

もちろん、色んな要素が絡みますので、それだけで優良病院かそうでないかは図れませんけどね。
医療格差・地域格差

医療格差っていうのは他の病気でもありますよね。

命の危険のある病気で、受診する病院によってその後が変わるという事も良くある話です。

ですので、よくよく調べたりして遠方の病院を受診する患者さんだっています。

しかし、「人工透析」の場合、週3回決められた曜日に通い続けなくてはならないという難しい問題があります。
通える病院に限界があるという事です。

なのに、通える距離内の病院の質が低かった場合はどうしたら良いのでしょうか?
そういう地域に生まれ育ったんだから諦めろとでも?

という話なのですよ。

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医療者側にも言いたい事はあるだろう

僕は看護科がある高校を出てますので、友人にも看護師さんは多いです。

やはりですな、看護師さんですから、病院の方針には逆らえないと思いますな。

僕も昔、工場で賞味期限ラベルの張替えを社長から命じられやった事があります。
いち従業員では逆らいようがありません。
不本意でも文句を言いながらでもやるしかない。
嫌なら会社を辞めるしかありません。

患者を飼いならすような病院も、恐らくは上からの指示で仕方なくやってるのでしょうな。
働いてるほうとすれば、より良い医療を提供したいという思いはあると思います。

前章では、前の病院のケースを引き合いに出しましたが、世にはもっと酷い病院もあると思います。
当然、前の病院にも優秀な方はいました。
看護師だって技士さんだって生活はある。
自分自身が不本意でも、状況によってはやらざるを得ない事もあるでしょう。

病院経営には医療とは無関係の人間も入り込みます。
そして、経営の観点での話もされます。

視点が多く出来る事は良いのですが、場合によっては「患者が置き去り」にされる可能性もあります。

通常の経営では「商品」をいかに売るかがポイントですが、医療ですとその感覚からは大きくずれます。

病気を治すのがポイントになるはずなのに、どうやって儲けるか考える人も必要だと思います。

そして、病院上層部から
「こうしろ、ああしろ!」と言われてしまえば、違うと思って意見は言えたとしても、会議などでこうと決まった事はやらざるを得ない。

そういうのは社会で働いてみれば誰しも経験があると思いますな。

経営の観点から言えば、物資的・人的に無駄を失くすのが最も良い訳でして。
しかし、医療で無駄ってあるのか?
っていう問題が残されますね。

コストを削減したり、社員の無駄な行動を抑制して、効率よく仕事する。
まあ、当然ですわな。

例えば、検査しても何の病気かはっきりしなければ、通常は他の検査もする。
じゃあ、何の病気か分からなかった検査は無駄なのか? と言えばそうではありませんよね。
1つ1つ可能性を消していかねば何の病気か分からないものだってありますから。

無駄とか言い出すと医療現場でそれが行きすぎる病院もある。
そして患者が置き去りになり、病気治癒に支障が起きる。

僕が前に通ってた透析病院はそのスパイラルにハマっているのでしょう。

透析医療には間違いなく格差が存在している

医療の事などは、患者は素人ですからね。
医師に「こうです」と言われたら「そうなんだ」と思うのが普通です。

しかし、人工透析の場合は「そうなんだ」が危険な場合もあるのですな。

と、言うのも、人工透析というのは病状がかなり幅広い訳でして。
本格的な専門医の数も少ない訳です。
経営上、透析医師をやってはいても、本当に透析の知識が充実してる先生ではない人がやってる場合もありますな。

一方で、
「透析時間を伸ばして下さい、透析回数を増やして下さい。薬も減りますよ。」という先生もいますよね。

ん?
透析時間を伸ばしても、5時間以上であればもう診療報酬は増えませんから伸ばせば伸ばすほど儲からなくなります。
透析回数を増やしても、診療報酬は月14回までしか出ませんので、それ以上は病院の人件費は自腹になります。
薬は減ったら、売り上げも利益も減ります。

ああ?
一体何の得が?

でも、分かりますよね。
医師って誰もが金儲け主義では無いです。

国境なき医師団とか、モラルや理想で動く医師も多いですよね。

そりゃ、差がつくに決まってますな。

飼いならされていく患者たち 知識を得て勇躍していく患者たち

さっきの、
>>医療の事などは、患者は素人ですからね。
医師に「こうです」と言われたら「そうなんだ」と思うのが普通です。

は重要ですな~。

その診療方針がいかにもベストのように言われてしまえば、そうだと思ってしまいます。

じゃあ、なぜ? 僕が通ってた前の病院は長期透析表彰者が出せないのか?

ベストの診療方針=病院が最も儲かる診療
になってる可能性が高いからですな。

合理性を追求しすぎた結果がソレなのです。

と言いますか、患者にとってベストとなる診療の診療報酬が低いという問題もあるんですけどね。

その辺りは今後の診療報酬改定で環境が変わる可能性もありますが。

理論武装し、いかにもそれがベストの診療のように言われたら、患者側は分かりませんからね。

県の総会に出席していた、僕が前に通ってた病院の患者さんたちは、「血液流量」や「透析時間・回数」の概念などは無く、いまだ時間延長は摂生出来ない患者への罰則と思ってるんでしょう。
かつての僕がそうであったように。

そういう風に思い込まされた結果なのです。

誰に思い込まされたのか?

前の病院も、以前の師長やその時にいた中堅の技士さんは「時間延長」を推進しようとしておりました。
しかし、師長さんが定年となり、透析室の方針の全権を持ってた優秀な師長さんがいなくなった事で、そうした改革が失われ、自分の方針とも会わなくなった中堅技士さんも辞め、若い経験の浅い人材をうまく病院上層部がコントロールしてそうなっていったのでしょう。

そこで透析を受ける患者は、自分たちが質の低い医療を受けてるとは夢にも思わない、病院経営上とても病院にとって有難い存在になっている事に気付いておりません。
しかも、そこで働いてる医療者の中にも、自分たちが提供してる透析のレベルが低いと思ってない人材もいます。
僕はそこで2年透析を受けましたので、よく知っております。

僕もね、四国の田舎にいて、同じ経験をしてきました。
一昨年、ネット世界に入って来て、多くの透析者の方たちと出会いました。

そして長く頑張っている方の知識の豊富さに驚いたんですな。
透析の事をよく知ってる。
逆に言えば、知識のある人の方が元気で長生き出来てるという事実があるのが分かります。

そういう患者たちの多い地域では、医療も洗練されていきます。

個人的意見

僕が透析を始めた時は、スーパー看護師のOさんもいましたので、腎移植申請は可能でした。
Oさんがいた時は、透析室内の壁に「移植申請方法」など細かく書かれた紙が何枚も貼ってありましたが、Oさんがいなくなった後は、そういった紙は全てはがされました。

僕は2つ目の病院にいた時に(透析9年目に)腎移植申請をする事になったんですけどね。

また、その後、僕の考え方も変わっていきました。

と言いますのも、僕は宗教を勉強した事があります。
なので、
「人は天寿をまっとうすべし」という考え方が根本にあります。

僕らは「人工透析」のおかげで生きてるのであって、すでに天寿は終わっているものだと勘違いしておりました。

そうじゃなかった。
全国では、透析になっても社会の一線で活躍する人材はいくらでもいるんですよね。

腎移植をしてまで生き延びるのはどうか?
と正直なところ思っていましたが、それは違うと感じましたね。

人は生きれるならどんな事もすべしなのですよ。
そして、その人生を謳歌すべきです。

透析になった後に子供を産んだ女性患者さんも何人もいます。
天寿が終わってたらそんな事は出来ません。
天寿は終わってなかったのです。

時代背景によって生きられる可能性の幅は大きく変わります。
昔は透析は無かったから、重度の腎不全では死ぬしか無かった。
しかし、今は「人工透析」によって生きられる。
その生もまた天寿の中であると気付きました。

人は天寿をまっとうすべしなのです。

自分の人生を生きるべきです。

そしてその中で、いかに上手に「人工透析」を使うか。
それが最も大切なんだと感じるようになりました。



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