スポンサーリンク
ここまで2編に及び、過剰透析に触れてきました。

まあ、この2編のうち、最初の1編目は、僕が感じた事を書き、2編目にはそれに対して多くの先生からご意見を頂きまして、若干の修正をしました。

第3弾では、ちょっと本格的に(本格的というほど大げさでも無いですが)文献を読んで、僕なりに考えてみたいと思います。
「長時間透析研究会」はあるが「4時間透析研究会」は無い

いや、そもそも、調べていきますと、掲示板で山羊先生とkusakari先生が激論してたりとか、シモン先生が豪語してたりとか、色々するんですな。

比較的、長時間透析に寛容な先生方であっても、微妙な考え方の違いがあるようです。

そう言えばさ、「長時間透析研究会」というのはもう今年で13回目(年1回程度)が行われようとしてますな。
2005年、長時間透析こそがもっとも患者予後が良いと信じた4病院の医師により立ち上がったものでしたが、当時はまだ「長時間透析をやる病院は変わり者集団だ!」との誹謗があった時代です。

しかし、一方で「4時間透析研究会・3~4時間透析研究会・3時間透析研究会」というような会派はありません。
いや、昔はあったかも知れませんが、僕が調べる限りでは出てきませんでした。
そんなのは存在しない訳ですな。

ん?
いや、そもそも、僕は4時間QB200×週3回という一般的な透析スタイルも実はほとんど大して確立してない気がしますよ。
と言いますのも、4時間QB200×週3回という透析では、患者にやや強めの摂生が求められます。
体の負担も大きく、バリバリ仕事をこなすにはちょっと向いてないかも・・・というような安静も求められてしまうような透析になってますよね。

いや、じゃあ、小さなお子さんを抱えてるような患者さんにはどうしろと?

そもそも、そんな患者に大量の負担を強いる医療で、「これが当たり前です。」と言われましてもね(-_-;)
そういう意味では確立してるとはとても言えません。
もうね、食べた物をノートに書き込んでこなければならなかったり、増えるとヤンヤヤンヤ言われましてね。
大の大人が形無しなのですわ。
で、イライラして人に当たったりすれば、
「転院したらどうですか?」と悪態つかれる始末。(一部の病院だけの話ですけどね)

一方で、在宅透析やオーバーナイト透析、6時間×週3回、または頻回透析などの長時間型の透析を受けているグループの活力な(*'▽')
肌も綺麗だし、女性なら美人度も上がるし、男性なら一般社会に混じってバリバリ仕事をこなせたりと、そういったメリットを持っています。

なんだ?
この違いは(-_-;)

まあ、話を過剰透析のほうに引き戻しますが、言ってみれば4時間透析であっても過剰透析になってしまう場合はありますよ。
ほとんどまともな食事をとらなければ、リンだってカリウムだって下がり放題ですよ。

同じように、長時間透析でも食べられなければ下がり放題ですからね。

結局、このブログでも何度も触れてきている、透析時間ごとの適切な食事内容・量が大事な訳ですから。
物理的に過剰透析はあるのはあるんですが、それは患者側の事情と透析の事情が噛み合わない場合に起きる訳でしてね。
噛み合わない透析をさせてる病院と言うのはヤブですから。
(と、言いますか、ちゃんと食べる指導もせずに時間だけ延ばしまくったら患者が死んじゃうじゃないか!という問題です。そういう先生はいないと思いますが、いたら報告お願いします。)
ちゃんと、時間延長してる病院ではそれなりに食事指導はしてますからね。
だからこそ、時間が伸びた分で血のクリア度が増して調子が良くなる訳です。

ん~(-_-;)
ある方が、外来透析→在宅透析→事情があって一時的に外来透析という状態でして。
外来から在宅に変わって、肌が白くきれいになったのに、また一時的に外来になったら顔が黒くなってきたと言ってました(-_-;)

まあ、患者も毎日変わらぬ食事をずっと取り続けられるかは、色々あって難しい場合もありますんでね。
一時的に透析過剰になる(一部の物質のみ過剰)場合もあるでしょうけども、長時間透析をやるような主治医はしっかりしてる先生ばかりなので、微調整はしてくれると思います。

DSCN2467


実はココが大問題( `ー´)ノ

「過剰透析」の定義が何たるかについては、かなり差があるようなんですが、はっきりしている事は、どの先生も「過剰透析」が存在してる事は認めております。

しかし、そもそも「過剰透析」が問題になる事自体も、おかしい訳ですよ。

つまり、患者に何らかの事情(他の疾患など)があり、一時的でも透析が過剰になるような場合は、かならず担当医が対処してる訳です。
いつまでも過剰透析のまま、ほったらかすという事は、基本的にあり得ませんよね。
患者の体力が著しく低下し、どうしようもない場合もあるのでしょうが、それでも最善は尽くしてくれると思います。

つまり、医師の努力でも過剰透析は防げますので、本来はあり得ぬ訳(一時的)です。

ところがですな、「透析不足」が明らかなのに、対処しない医師は多いです。
ん?
見殺し?

となりませんか?
「過剰透析神話」を信じ、透析不足を起こして患者に異変があっても、対応はしないんでしょうか?

「過剰透析」で患者をほったらかすのと、「透析不足」で患者をほったらかすのは、意味としては同じではないかと僕は考えます。

じゃあ、なぜ、食事指導するのか?
透析時間による適切な食事を患者にしてもらわないと、「透析過剰・透析不足」を助長する面もあるからですよね。
で、食事指導はする。
そして、ダイアライザーなどのサイズを大きくする場合もありますよね。
それは、「透析不足」を認めているからですな。

4時間透析QB200×週3回という透析で「透析不足」が起きないというのであれば、食事指導やダイアライザーのサイズ変更も不要では?
そういうのが必要になるという事は4時間透析推進派の先生も「透析不足」は認めていると僕は感じます。

だが、認めていながらなぜ時間延長だけを反対するのか?

こりゃ、論争で便利使いされてる言葉では?

もうお分かりですね。
時間延長が都合が悪いからです。
4時間透析×午前午後2セットというやり方、スタッフ勤務も8時間勤務に早番・遅番にし、対応でできる。
回転数を増やして利益を出す。
まあ、こういった事が考えられます。

5時間透析の患者さんが増えると困るから、というのが見える感じがしますね。

まあ、僕もこういう部分は強く言えない部分でもあります。

なんせ、自分が通う病院にはある程度は儲けてもらわないと、倒産でもされると困りますし、スタッフさんに負担がかかり過ぎても嫌ですから。

ただね、どうも調べてみると、「過剰透析」という文言は随分前からあります。
ところが、2005年、「長時間透析研究会」が立ち上がってからの数年にその「過剰透析」の文言が集中してきますね。

ああ、なるほど・・・(-_-;)

要は、「長時間透析研究会」や「長時間透析」を揶揄するために誰かが引っ張って来た文言である可能性が高いですな(*´Д`)

先も言いましたが、「過剰透析」に対する先生方の考えは微妙なところで差異があります。
つまり、定義が100%明確とは言い辛い訳です。
なのに、「過剰透析」という言葉だけが独り歩きしてきた・・・という部分もあるのでしょうな。

というのは、別に長時間透析ではなくても、患者が食べられなきゃ「透析過剰」は一部で起きてしまいますからね。
単にカリウムやリンが特に低い場合は「透析過剰」という定義づけをするならですが。

そういう定義であれば、時間が伸びたりする事で過剰透析にはなりやすいという事は言えてしまいますのでね。
しかし、それは先も言ったように、その場合は医師が微調整をかけますので、そうならぬようにコントロールできる訳ですから。
患者にも食事指導をして対応させる訳ですからね。

総合的に考えると、結局は透析界にある「長時間グループ」と「3・4時間グループ」との戦いから広まってしまったのが「過剰透析」という言葉ですな(-_-;)

なんか、東洋医学と西洋医学で争った江戸時代のような感じですな。

ん?
そう言えば、「過剰透析」論が出たきっかけは、「過剰透析」によって患者が死んだというデータが持ち出された事によってです。
つまり、過剰透析状態の患者をほったらかした医師がいたという事になるのでしょう。
(その当時に「過剰透析」という理念が無ければ仕方ありませんが)

つまり、今後は「過剰透析」で患者が死んだという事を訴える医師はいないと思います。
えっ?
過剰透析と分かっててほったらかしたの? っていう事になりますんでね。

という事で、既に将棋なら詰んでるような状態に見えますね。

「透析不足」を解消する「長時間透析」の圧勝のような気がします。
後は患者のQOLと、長時間透析の長期化で出てくる問題に関しての対処のみかと。

実際の長時間透析を受けてる患者さんたちの元気さがハンパありませんし。

まあ、この「過剰透析」や「長時間透析」の問題は面白いので、今後も視点を少しずつ変えて書いていきたいと思います。
今回はここまでという事で(*'▽')

う~、また賛否が起こりそうだ~(-_-;)


↓↓↓恐れ入りますがお帰り前に応援ポチをよろしくお願い申し上げます。

↑↑↑面白ブログ満載のランキングが見れますが同時に1票がはいります(*'▽')


        スポンサーリンク