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人工透析で最も多い質問は「透析導入後、何年くらい生きられる?」です。(トシヒーロー・インターネット調べ)
まあ当然ながら、透析導入までの経緯、腎不全以外の持病、透析導入後の食事内容、水分摂取量で大きく変わります。
ただ、一つの目安としては、平均寿命までの2分の1というのが、データとしては最新のようです。
日本人の平均寿命は男性80歳、女性86歳ですので、僕で例えるなら38歳透析導入ですから、
80-38=42、42÷2=21
で21年となります。
透析導入から21年というと、59歳で死亡という計算になります。

70歳女性で透析導入であれば、
86-70=16、16÷2=8
で8年となり、78歳で死亡という計算になります。
(あくまで目安です。)

透析患者の死因1位は心疾患、2位は感染症(肺炎など)、3位は悪性腫瘍(癌)、4位は脳血管障害です。

1位心疾患ですが、以前にも何度か透析患者は何もしなくても心臓に負担がかかっている話はしました。
一般に透析患者の推奨水分摂取量は「尿量+500ml」と言われていますが、それ以上に取ってしまうと、心臓に水が溜まるなどして、心臓の正常な動きを妨げてしまいます。
これを、長期に渡って継続してしまうと、心筋などの異常が起こり、血流ポンプの役割が保てなくなります。
これが心不全です。
ある日突然起こるケースもあります。
心電図検査や心エコー検査は透析病院で定期的に行われていますが、心臓に異常を感じている患者さんは、その都度検査技師さんに検査結果を聞いて自分の心臓状態の把握をしておくべきです。
僕の場合も、自分で心臓の異変に気付いてから、検査で異常が発見されるまでに1年かかるという事がありました。
心臓の異変を感じたら放置せず、積極的に検査を受け続けるべきです。
早めに発見しておかないと、大がかりな開胸手術をする羽目になったりで大変ですよ。

2位の感染症ですが、この時期は「インフルエンザ」「O-157」「ノロウイルス」など、怖い病気が蔓延しやすく注意が必要です。透析ではマスク着用を義務付けている透析病院も多いです。
マスクせず透析室に入ると、「近所のコンビニで買ってきて~!マスクしてくれるまで穿刺はしませんよ~!」なんていう病院もあるくらいです。
マスク着用(効果疑問の声もありますが、しないよりはしたほうがマシではあります。)くらいは透析患者なら当然です。
また、手洗い、うがいは日常から行って下さい。
感染症と透析は相性も悪いです。
透析は内臓や血管にかなりの負担をかけていますので、透析中に重症化してしまう可能性があります。
僕もこの10年、1度だけ「インフルエンザ」にかかりました。
その時は透析直前では熱は無かったのに、透析中に39.6度の高熱となってしまい帰れなくなりました。
歳が若かったので、数日で回復しましたが、この時を境に尿が出なくなってしまいました。(それまではまだ1日150ccくらい出てました。)

3位の悪性腫瘍(癌)ですが、やはり透析患者の癌1位は「腎臓癌」です。
我々透析患者は腎臓の機能が無くなってしまう病気ですので、腎臓内に腫瘍が出来る可能性は極めて高いです。
長年透析を続けられてる患者さん多くも、「腎臓癌」による「腎臓摘出」手術を受けていらっしゃいます。
僕も右腎摘出を行っていますが、入院は手術から約1週間ほどです。
内視鏡を使ってできますが、腎臓を摘出する為、開腹の必要(5センチ以上は)があります。
動けるようになるまで最低3日、手術から24時間は全く動けません。
また、手術から24時間経過後からは、リハビリでベッドから降りる練習をしますが、立つどころかあまりの痛さに叫びますよ。
また、手術では全身麻酔、呼吸器導入となります。
自発呼吸を止めての、機械による呼吸です。
これも怖いです。(ただ、手術台に乗ったらすぐ眠らされて、起きた時には手術が終わっています)
しかし、透析病院では年1回程度のCT検査をしますので、早期発見しやすい癌です。

女性透析患者さんは、「子宮癌」比率も高いようです。
異変を感じたら早めに申し出て下さい。
専門医師の診察が必要です。

前にも書きましたが、透析患者は「現実を知り」「対策を練り」「実行する」が鉄則です。
厳しい現実ですが、対処が早ければ治療もそれだけ楽になります。
現実を受け止めて、普段からしっかり自分の体に気を配りましょう。

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